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定置網が設置されている位置を知るにはどうすればいい?

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定置網が設置されている位置を知るにはどうすればいい?

最近、地元に帰り定置網漁船に乗り始めた新米漁師です。

先日、同じ漁港の定置網船の定置網が、ジェットスキーをしている人によって、破損してしまったようです。

よく考えてみると、私もほかの漁船の定置網がどこに設置されているのか、ちゃんと理解していないことに気づきました。

定置網がスクリューに絡まったら重大な事故につながるかもしれませんし、自分たちの定置網が壊されないように、注意しなければいけないとも思います。

定置網が設置してある場所を知る方法や、ルールなどがあれば教えてください。

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網は陸から2〜4キロの海域に設置することが多く、海上に浮いているブイが目印です

定置網が設置されている位置


大型定置網の場合、多くは水深27〜70m、陸地から2〜4km離れたところに敷設されています。

しかし、潮の流れや魚の動きを考えて、陸岸から8kmも離れた場所に敷設している場合もあります。

一方で、小型定置網は内湾や入江の水深27m未満に多く敷設されています。

大型定置網は垣網が水中で2〜4kmもの大きさになるため、設置するには深さが必要になります。

反対に小型定置網は、垣網が数mから数十mと比較的にコンパクトなことから、浅い水深でも設置が可能です。


定置網の設置位置の選定


定置網を設置する位置は、知識と経験や、GPSやドローンの情報、海底地形図などを総合的に組み合わせて決めています。

定置網を仕掛けている場所には、海面に丸い浮き玉が並べられ、浮き玉の下には袋状の大きな網が仕掛けられています。

定置網がどこに設置されているのかを確認するには、海上保安庁の「海しる」という海洋状況表示システムで調べることが可能です。


定置網の位置に注意


法律では、定置網からは100m以上離れて航行することが定められており、定置網の周囲100m以内には近づいてはいけないことになっています。

さらに、定置網と陸の間は航行が禁止されています。

海上保安庁の「海の安全情報」では、すでに設置されている定置網の設置場所を調べることができるので、海上を航行する際は注意しましょう。

もし誤って侵入してしまうと高額な損害賠償金を請求されたり、事故につながる可能性があります。

過去には、濃霧でブイを視認できなかったり、浅瀬を避けるために舵を切ったところ定置網に接触してしまったという事故が報告されています。

また、ベテラン漁師でも過去の経験から定位置網がないと思い込んで定置網にぶつかってしまったというケースもあるので、事前に確認をしておきましょう。

このお悩みの監修者

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網漁業学の専門家。2009年水産海洋学会より「相模湾における急潮と定置網漁業防災対策に関する研究」で宇田賞を授与。定置網漁業に関する国、地方、業界の各委員を務め、日本沿岸各地の地域活性化に取り組んでいる。博士(東京大学農学)。

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