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青枯病対策に剪定ばさみの消毒方法を教えてください

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青枯病対策に剪定ばさみの消毒方法を教えてください

育てている野菜に青枯病と見られる症状が出てしまいました。

症状が発生した野菜は処分しましたが、原因はわかっていません。今後も青枯病が発生しないように注意したいです。

農業仲間に相談したところ「青枯病は剪定用のハサミが原因になって病気を拡大させる」と聞いたので、もしかすると、それが原因だったのかもしれません。

再び青枯病にならないために、ハサミの適切な消毒方法を教えていただけないでしょうか。

李 哲揆

データサイエンティスト

剪定用ハサミの消毒には薬剤を使った方法がおすすめ

青枯病の原因


青枯病は青枯病菌という細菌が原因の土壌病害です。

トマトやなすなどナス科の植物だけでなく、ピーマンやジャガイモ、イチゴなど数多くの作物に感染します。

青枯病は高温多湿の環境で症状が表れやすく、水の移動によって菌が広がります。

感染経路としては、作物の根や茎の傷口から病原菌が侵入して発症することもあるため、剪定用のハサミの除菌は、感染防止に効果的です。

青枯病の対策 (剪定用ハサミの消毒)


青枯病は土壌感染によって感染すると考えられてきましたが、最近では発症株の剪定に使用したハサミなど道具からも伝染することが確認されています。

一旦、ハサミに菌が付着すると連続して5株以上に感染させることもあります。

感染拡大を防ぐためには、次の方法で剪定用ハサミを消毒しましょう。


薬剤を使用した消毒方法

剪定のハサミの消毒に有効な薬剤のうち代表的なものは、次亜塩素酸ナトリウムとエタノールです。

200ppm以上の濃度の次亜塩素酸ナトリウム、あるいは70%エタノールの使用がおすすめです。

薬剤はそれぞれ定められた濃度に希釈し、指定された時間、ハサミを薬液に浸します。

金属製のハサミは錆びやすいので、作業後は水で洗い流しましょう。薬剤は説明書の使用方法に従って使用・保管してください。

高熱処理

剪定ハサミの殺菌消毒には、ハサミをバーナーで炙ったり、煮沸消毒で高熱処理を行う方法もあります。

しかし毎回熱湯を準備するのは手間がかかるうえ、高熱処理はハサミを痛めてしまう原因にもなります。

手軽に消毒するのであれば、薬剤がおすすめです。

作業負担を軽減する自動消毒ハサミ


薬剤を使えば消毒は簡単にできますが、作業の度に行うのは大変です。そういうときは、「自動消毒ハサミ」の使用も検討しましょう。

繁忙期の収穫作業など効率を重視して作業しなければいけないときは、自動消毒ハサミを使うことで安全性を担保しつつ作業負担を軽減することが可能です。


使用方法

カートリッジに薬液を入れて作業すると、ハサミを握る度に薬液が流れ出て、刃先を殺菌消毒してくれる仕組みになっています。

カートリッジに入れる薬剤は、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムといった市販のものを希釈して使用します。

自動消毒ハサミの効果を上げるためには、栽培の初期段階から使用すること、そして使用後は本体の手入れを行い、清潔に保つことが大切です。

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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