アボカドを栽培するために、山に人工池を造りたいです

YUIME Japan編集部 / 2021.10.20

分析・管理

#アボカド #沖縄県 #畑作

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沖縄県でマンゴーを栽培しています。自宅で観葉植物にアボカドを水耕栽培をしていたら、思ったよりも成長が早くて驚いています。

そこで、売り物としてアボカドを栽培することに興味が沸いてきました。

アボカドは、標高の高い山に植えることが多いようですが、山まで水を引っ張れないので人工池を造っている農家さんもいると聞きました。

人工池を造る費用と、どうやって造るのか知りたいです。
（沖縄県・本庄さん/仮名・40代）

けんゆー（上原賢祐）

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山地でのアボガド栽培はそう難しくはないけど、品種選びが重要です

私は、沖縄県の約 1200 坪の山地でアボカドの栽培をしています。山地にアボカドを植える際、苗木が小さい状態だとかん水（水やり）が必要になります。私は自然な雨量ではどうしても足りないと判断したため、貯水の人工池を作りました。

半年くらい経ち苗木が大きくなった時点で、かん水の頻度を減らし、最終的には自然な雨量に任せるようになりました。

人工池も、完成して半年以上経ちましたが、問題なく水を貯めることができています。

ただ問題点があり、夏場は藻の一種のアオコが発生し、水が汚れます。そのような場合はポンプで水を抜けば良いですが、どうにか循環させて水質悪化を防ぐことができたらなお良いかなと思います。

本題の人工池の作成手順ですが、初めに4m×2m、深さ1mをスコップで穴を掘り、その周囲1m程度を20cmくらい下げました。

次に、モルタルを掘った穴の内側に、ひび割れ防止のためワイヤーメッシュを全体的に入れました。モルタルはセメントと砂を1：2で混ぜ、その中にマノール社製の防水剤を入れています。

毎日3時間×5日かかりましたが、重機があれば使ってもいいと思います。完成後は雨を待ち、実際に貯水されるか確認します。水漏れなどがあればマノール防水剤を入れたモルタルを再度上から塗って補修します。

費用については、合計22,000円程度でした。内訳は、セメント9,000円（25kg450円×20袋）、砂8,000円（20kg200円×40袋）、マノール防水剤5,000円程度、使い古しのワイヤーメッシュは0円です。

なお、アボカドの木の植え付けなどは、夏は暑いのと乾燥がひどいので避けた方が無難です。雨が続く日の前日に植え付けるなどのタイミングを守ると、木が枯れる可能性を減らすことができます。

ちなみにアボカドは、水はけの良い環境であれば低地のハウスでも栽培できるので、相談者さんの圃場の環境さえ良ければわざわざ高地に植える必要はありませんよ。

ただし、排水性の悪い環境ですと根腐れが起こりますので、露地ではよく傾斜地に植えられることが多いです。また、沖縄の場合、露地栽培をする際には「風対策」が必要になります。

さらに、品種によっては耐塩性（塩分濃度が高い土壌への適応）が低いので、品種選びには気をつけてください。

おすすめは、台木（接穂を接合する箇所）に⻄インド諸島系統を用いた接木苗です。苗木1本が6,000円程度、結実までに 3～5 年、雌雄異熟（しゆういじゅく：雌花と雄花、どちらにもなること）という開花特性を持つため、受粉効率を上げるには複数の品種の導入をおすすめします。

アボカド栽培に必要な水の量は、果樹の中では非常に多いと言われていますが、沖縄の山地で露地栽培の場合は、降雨量で問題ないと思います。足りないようなら与えてください。