京都府で野菜を栽培しています。品目はじゃがいも、万願寺とうがらしを育てています。圃場の規模は、ハウス50アール、露地30アールです。
最近、イネ科の雑草「スズメノカタビラ」が圃場に大量発生しています。恐らく、堆肥に種が混ざっていたのが原因ではないかと思うのですが…
非常に厄介な雑草で、イネ科の専用除草剤「ナブ乳剤」がほとんど効かず、葉の面積も小さいことから、グルホシネート系の「バスタ」もあまり効いてくれません。
スズメノカタビラをうまく処理する方法はないでしょうか?
(京都府・飯田さん/仮名・30代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
スズメノカタビラは土壌処理剤を使った処理が有効です
相談者さんのご報告通り、スズメノカタビラはイネ科を対象とした茎葉処理剤の効果が劣るという報告があります。
植物は、光合成の仕組みの違いによって、C3植物とC4植物、CAM植物に分類されますが、ナブ乳剤などのイネ科対象薬剤は、C4のメヒシバやエノコログサなどといったイネ科の夏雑草を対象としています。
これに対して、スズメノカタビラはC3の冬雑草ですから除草効果がないのです。
ただ、スズメノカタビラは、地表面に芽が出る出芽深度が比較的浅く、根の発達も遅いため、土壌処理剤を使った処理方法に効果があります。
対策は、秋のスズメノカタビラ発生前にトレファノサイド乳剤か同粒剤を処理します。
作物ごとの圃場の処理としては以下の通りです。
・ジャガイモは、種芋の植え付け後から萌芽前にかけて、トレファノサイド粒剤を土壌全面に処理します
・トウガラシについては、苗用の穴を掘って定植する前に全面土壌処理します。丁寧に整地することで安定した効果が期待されます
定植後、雑草が発生する前に土壌処理する場合は、畦間の散布を行いますが、この時できるだけ葉にかからないようにしましょう。