私は、長崎県にあるアジやサバを養殖している会社に入社したばかりの新人です。
今、任されている仕事が魚の選別作業です。
その際、アジをマアジとマルアジ、サバをマサバとゴマサバなどと種類別に分けるのですが、これが思っていたよりも難しく、先輩たちに比べて時間がかかっています。
そもそも見た目がとても似ていることが作業を難しくしているのですが、なおかつ大量に水中にいるため、水は波打つし、魚は動き回るしと、なかなか見分けられず、作業効率が上がりません。
先輩に相談しても「何回もこなして慣れんばさ」と言われます。
ベテランの人にはどうってことはなく、先輩が言うように慣れもあるのでしょうが、少しでも効率アップを図りたいと思っているので、見分けるコツや見分け方があれば教えてほしいです。
(長崎県・小島圭太さん/仮名・男性・20代)
西潟正人
地魚料理「あじろ定置網」、東京海洋大学講師
飽きるほど観察し、感を研ぎ澄ませましょう
陸上ではなく、海面養殖のようですね。養殖状況がよく分かりませんが、通常、1種類のいけすに他種が混じることは、人為的な原因でない限りあり得ません。
水中で群れている、色合いも体形も似た魚たちを手作業で選り分けるなど至難なことです。通常は種苗(幼魚)の段階で選別し、仕切られたいけすで管理、飼育します。
おそらく、会社としては新入社員の教育として、識別の訓練をしているのでしょうね。
まずはじっくりと観察してください。真上から見たときの体形や色合いの感じです。
マアジとマルアジを見分けるのはさほど難しくないと思いますが、マサバとゴマサバを真上から識別するのはちょっと高度です。
しかし、それも慣れです。失敗を何度も繰り返していると「感」が働くようになりますよ。
そもそも種が違うのだから、他種とまったく同じ動きはしないと思われます。そんなところもよく観察してみてください。飽きるほど見慣れることです。
標本ではないのですから、感を研ぎ澄ませることしかありません。頑張ってください。