イタチの被害に悩まされています。
キャベツやトマト、サツマイモなどの農作物を食い荒らされ、さらに、自宅の床下に巣まで作られてしまいました。
役所に相談して、許可をもらって一度は捕獲器で捕まえて近くの河川敷に放しました。
その後、新たな侵入を防ぐためにイタチが嫌がる木酢液などを家の周辺に大量に撒いておいたのですが、またやってきました。
前回同様に捕獲器を使って対処するつもりですが、問題は放獣の方法です。
今度捕まえたらもっと遠く離れた場所に放してこようと考えています。
しかし、勝手に放獣してくるのは無責任で、好ましいことだとは思えません。
適切な放獣の方法を教えてください。
(大阪府・吉田さん/仮名・30代)
古谷益朗
野生生物研究所ネイチャーステーション
おそらく外来生物のシベリアイタチだが、許可なく捕獲したり、放獣したりしてはいけない。まずは地元自治体に相談して
ご相談内容からでは、被害にあった作物が不明ですが、建物に侵入するとのことから、シベリアイタチではないかと思われます。
日本古来種のニホンイタチは、河川沿いなど自然環境が豊かな場所に生息し、農作物を食害したり家屋に浸入することはほとんどありません。
一方、シベリアイタチ(タイリクイタチとも)は、長崎県の対馬などに自然分布していることがよく知られています。
その他の地域に生息している場合は、対馬から他の地域へ移入した外来生物になります。外来生物であっても国内では鳥獣保護管理法が適用されます。
したがって被害が発生したとして、許可なく捕獲することはできません。
また、捕獲許可を受け、狩猟免許を所持している者が適正な捕獲をしたとしても、他地域へ移動しての放獣は避けてください。
人間が移動させることで生息地が拡大してしまい、新たな被害地域を生むからです。
国内でも関西圏に多く生息しています。過去に毛皮用として人為的に持ち込まれたのが原因とされています。
シベリアイタチの問題は行政も理解しているはずで、大阪府のホームページでも記載されています。
被害でお困りの際は、地元自治体に相談されることが良いかと思います。