愛知県で30種類ほどの野菜を露地栽培で育てています。
自然栽培に憧れて始めたこともあり、完全無肥料・無農薬というわけにはいきませんが、できるだけ自然に近い環境で栽培することを理想にしています。
しかし、思ったようにいかないこともしばしば起こります。
一昨年にはウリハムシが大発生し、きゅうりやかぼちゃ、ズッキーニの葉が穴だらけになってしまいました。
被害の後は周辺の雑草はすべて処理して、翌年は反射テープを周辺に張り巡らすなど、できるだけ虫がやってこないように工夫しました。
春先以降はこまめに畑をチェックして成虫を捕まえては駆除していましたが、それでも被害に遭ってしまいました。
まわりの農家仲間や先輩に対処法をたずねてみましたが、「いくつかの農薬をローテーションで散布した方がいい」と同じような返事が返ってくるばかりです。
農薬などを使わずウリハムシを駆除する方法はないのでしょうか?
(愛知県・安藤さん/仮名・30代)
五十嵐大造
東京農業大学国際食料情報学部 国際食料情報学部(前教授)
ウリハムシ対策は、定植直後はあんどん仕立てなどで苗を保護し、生育が進んだら捕殺します
ウリ科野菜を定植すると、ウリハムシの被害に多くの方が悩まされているかと思います。農薬をローテーションで散布する方法は、とりたくないということですので、これ以外の方法を考えてみたいと思います。
その前に農薬散布についてですが、効果は認められますが、散布を始めるとウリハムシは飛んで行き、再び戻ってウリ科野菜を食害しますのでなかなかしんどい作業です。
定植して間もない時には、使用済みの肥料袋の底を切り、筒状にして苗の周りに支柱を立てて苗を保護するように囲う方法(あんどん仕立て)がよく用いられています。
また、不織布で被覆する方法も考えられます。ウリハムシの被害だけでなく、強風からも苗を保護してくれます。この方法は一定の効果がみられます。
ただし、きゅうりやカボチャなど成長が進むとこれらの方法は活用できなくなってしまいますので、あくまでも初期生育の段階までの手段と言えます。
苗が大きくなってきたら、栽培者が補殺するのが一番良い方法かと思われます。ペットボトルを持って口をウリハムシにそっと近づけて指で中へ落とす方法がおすすめです。
たくさんのウリハムシを捕まえることができます。ただし、この方法では1回でたくさん捕まえたとしても、次から次へとウリハムシは飛んできます。
したがって、根気よく何回もトライする必要があります。また、周辺の畑でウリハムシが発生しているような環境下では、近隣の生産者と共同で対応していくことが必要です。