インタビュー

【稼げるスター農家になるには?】農業の人材育成 成功のポイント

スター農家

農業が稼げるようになれば、農家に憧れる若者が増えて、日本の農業全体が活性化する!そんな信念をもとに、多数のスター農家を生み出してきたクロスエイジの藤野直人さん。「人を育てる」ことがテーマの最終回は、組織運営や事業承継にも通じる内容です!

ポイント
・訓練と教育の違い
・マニュアルは不要か必要か?
・会議で人を育てよう

どうも、農業総合プロデューサーの藤野です。
今回もさっそくまいりましょう、今回の「スター農家理論」は「人材育成」についてです!

人材育成、みんな悩んでる!

今回お伝えするスター農家理論は
「まず訓練、次に教育」理論
「農業のマニュアルとは?」理論
「人は会議で育てろ!」理論の3つです。では順を追って説明しましょう!

右向け~右!「教育は訓練のあと」理論

八百屋でレジ打ちの業務があったとします。そのためにパートスタッフを雇って、レジの打ち方を教えます。

そのとき「何のためにレジを打つ必要があると思う?」とか、「どうやったらレジを間違えずに早く打てると思う?」といちいち尋ねたり、教えたりすることはありませんよね?なぜなら、雇用した側にとっては、1日でも早く業務を覚えてほしいと思っていますから。

パートさんにはレジの前に立って「まずキーを差し込みます、そしてここのダイヤルを回します。金額を打ち込んで、部門のボタンを押します。打ち終わったら合計ボタンを押してください……」と説明しながら、まずは「言われたとおりにやってください」と伝えるものです。

これは教育ではなくて「訓練」です。任せたいことを最低限できるように教えるのが訓練です。まずは「訓練の5W1H」を整理してみましょう!
訓練の5W1H

この中で一番重要なのは「When」、つまり訓練期間を決めることです。明日からというケースもあれば、2週間、あるいは3カ月という場合もあるでしょう。

いずれにしろ、経営者であるあなたが「この部門のパートは〇日」とか、「この部門の社員は○カ月」などと決めていきます。

そして、その期間はとにかく訓練を受ける人の知識を増やして、仕事のやり方を教えながら、「できることを増やす」ことに専念します。教育は訓練のあとにやるべきです。

農業にマニュアルは必要か?

昔から農業の生産現場では、マニュアルの必要性をめぐって、肯定派と否定派のふたつの意見があります。口頭で教えれば十分だという考え方と、「見える化」すべきという考えです。あなたはどちら派でしょうか?

誰を教育するのか?

マニュアルが必要か、そうでないかを決めるのは、教育対象が誰か? によって状況が変わります。

例えば、あなたの農園で働く人が、パートや季節限定のアルバイトスタッフ、シルバー人材しかいない場合、働く期間が短いですから、数日あるいは数回教えれば十分かもしれません。この場合、わざわざマニュアル化して教える必要はありません。

もちろん、「訓練期間を短くして、仕事を早く覚えてほしい」とか「教える側の負担を軽くしたい」などという場合はマニュアルをつくるのも良いです。でもマニュアルがなければ、絶対に成立しないほどではありません。

マニュアルと現実のギャップ

その一方で、正社員の教育や農場長の育成が目的の場合、マニュアルは必要になってきます。

でも社員が増えて組織が大きくなったり、業務内容が複雑になってくると、マニュアルと実際の業務との間に乖離(ギャップ)が生まれることがあります。

この場合、マニュアルは正しいのに現場の仕事の方法に問題があるのか?それとも、現場の作業方法の方が効率が良く、マニュアルが間違っているのか?を見極める必要が出てきます。これが、業務の改善につながるのです。

マニュアルは常に更新すべきもの

農業の生産現場におけるマニュアルは、一度で完成しません。

①マニュアルをつくる(Plan)
②実際に現場で作業する(Do)
③3カ月に1度などの頻度で、定期的にチェックする(Check)
④作業項目を追加するなど、マニュアルを改善する(Action)

こういったサイクルで、マニュアルを継続的に改善しながら、PDCAを回していきます。その結果、マニュアルが正社員や農場長の教育など人材育成に役立つようになるのです。
クロスエイジの会議

組織を育てる「人は会議で育てろ!」理論

これまでの連載で、農家(農業法人)の組織づくりについて何度も触れてきました。前述のPDCAは、組織育成にも当てはまります。過去の連載と合わせて読み直してみてくださいね。

Planにあたる内容は、第6回の「経営計画 誰が?いつ?どう作る?」で説明したように、これまでの決算内容から現状分析を進め、3〜5年先の販売計画や新規顧客の獲得について計画を立てることです。

次のDoにあたるのは、第8回「成長する組織をめざす方法」で「上司はひとり」理論、「姿勢のルール」理論、「結果で評価」理論を読みなおしていただきたく思います。

そしてCheckにあたるのが、第9回の「農業のIT化」で経営改善につながる「3つのデータ」理論で、必要なチェック項目について挙げています。

最後のActionにあたるのが「会議の運用」です。会議の場を通じて、今後の行動変化=改善に結びつけようという提案です。この会議こそ人材育成に必須な有意義な場思います。ただし会議が有意義な場になるかどうかは、次の3つにかかっています。

つまり、
・目標とする数値計画があり、
・その目標に対して、チームと個人個人の役割分担や数値責任がはっきりしていて、
・進捗状況がスマート農業系のアプリやGoogleスプレッドシートなどで共有(=見える化)されている状態であるかどうかによります。

あなたの組織は大丈夫ですかね?

読者の反応が気になりますが、その不安は横に置いておいて、先に話を進めます。

会議でやることは3つです。

①目標に対して「不足」していることを明確に報告してもらう(=「不足の認識」)。
②「不足」に対して、どんなアクションをするのか?本人に準備させたうえで会議に参加させる(=「行動変化」)。
③達成できてなくても、今後のアクションの内容が問題なければ、達成できてないことはいったん置いていて、次の行動に集中してもらう。「不足」をだらだら引きずらない(「結果の完了」)。

①ができてなかったら、仕組みの問題か、本人の準備不足で注意します。
③がきちんと考えられていなかったら出し直しさせます。教育ですね、我慢も必要です。

社長や上長は、週次の会議や月次の会議を使ってうまく人材育成をしましょう。ただ報告を聞いているだけだったり、連絡事項の共有や、認識をすり合わせる場にとどめておくのはもったいないです。そんなことはグループラインや他の方法でできます。

会議で人を育てる、会議はそういう場になるように経営者はうまくデザインしてください。

クロスエイジ社員

筆者(中央)が代表を務めるクロスエイジ

以上で、第10回は終了です。

いかがだったでしょうか?全10回の連載、あっという間でしたね(本当はすごく苦労して原稿を書いてました……)。

生産現場を軸とした組織づくりのPDCAをうまく回して、5,000万・1億・3億円と成長し続けるスター農家を皆さんもぜひめざしてください!では近いうちにお会いしましょう!!

藤野直人(ふじの・なおと)/株式会社クロスエイジ代表取締役、農業総合プロデューサー◎「スター農家理論」とは、売上3,000万円を超える農家向けの農業経営理論。事業の成長と効率化を実現する「スター農家クラウド」サービス紹介サイトを公開中。https://crossage.com/lp02/starfarmer1/

【稼げる「スター農家」になるには?】これまでの連載
第1回 コロナ時代は逆転のチャンス!リスクに負けない経営を
第2回 現状に満足せず 上をめざそう
第3回 農業総合プロデューサーの仕事
第4回 農家の働き方改革
第5回 6次産業化を始めるタイミングとは?
第6回 経営計画 誰が?いつ?どう作る?
第7回 労働力不足!外国人と言う選択肢
第8回 成長する組織をめざす方法
第9回 農業のIT化 経営改善に必要なデータとは?

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