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Editor’s Eyes 農機具のプロがオススメする!注目の耕うん機3選

Editor’s Eyes 農機具のプロがオススメする!注目の耕うん機3選

まもなく春到来。北海道や東北などの豪雪地帯では野菜を雪の下で越冬させる農家もありますが、それ以外の地方では2月を迎えると、苗づくりや植え付けを進めます。

YUIME Japanでは農機具の悩み相談でお馴染みの藤原農機の東 直斗(ひがしなおと)さんは、「畑づくりは、この先1年間の農作業の入り口にあたります」と話しています。

さまざまな種類がある農機具のなかでも、耕うん機はその名のとおり畑を耕す機械。

トラクターを小型にしたような本体は、ロータリー部分を取り外して、他のアタッチメントに付け替えると、畝立てや整地などの作業もできます。

最近では家庭菜園用に使っている人も少なくないですし、小規模農家の場合はトラクターではなく、小回りがきく耕うん機でも十分間に合います。

東さんがオススメするユニークな耕うん機3選
・バイク用品メーカー「デイトナ」が開発!サスペンション技術を駆使して、硬い土でも暴れずに楽々耕す
・家庭用コンセントで充電可能!CO2を出さないバッテリー式耕うん機!オカネツ工業「Curvo」
・野菜ごとに異なる植え付け幅にも対応。中耕・除草・土寄せが得意な条間作業機 岡山農栄社のイリノはたかん

畑づくりは農作業の入り口!
シーズン前に知っておくと得する耕うん機の世界

こんにちは、農機具・農業資材専門の通販サイト「アグリズ」を運営している藤原農機の東 直斗です。前回の「動力噴霧器」に続いて、3回目の登場です。

和歌山県を拠点に、「全国向けの農機具の宅配レンタル」という一風変わったサービスを運営しているプロとして、普通の農機具屋さんやメーカーさんとは異なる視点で農機具をオススメしてほしい!という要望にお応えして、今回は「耕うん機」をご紹介します!

農作業シーズンが本格的にスタートするこの時期、最初に取り組みたい作業と言えば、畑作りや耕うん作業ですよね。

最初に買う農機具は耕うん機
最初に買う農機具は耕うん機という生産者も少なくない
皆さんのなかには、冬の間に土壌づくりに取り組んでいらっしゃる読者も多いと思いますが、植付けの前にしっかりと畑を耕し、収穫までを見越した作業スケジュールを考えておきたいところです。

農業を始めるにあたって、まずは畑を耕さないと始まらないと思い立ち、農機具のなかでも最初に耕うん機やトラクターを選んだ方も多いのではないでしょうか? 

しかし、一言で耕うん機と言っても、そもそもどれくらい種類があって、どんなメーカーが製造しているのでしょうか?このことを深く掘り下げて考えたことがある人は、意外と少ないのではないかと思います。

今回はそんな皆さんのために、ちょっと変わってはいるけれど、大手メーカーに匹敵する性能を持つ耕うん機をご紹介します。すでに耕うん機を持っている方でも、これまでの作業が簡単で楽になるような機種に出会えるかもしれません。

1年の農作業が始まる前に知っておくと得する、意外と深い耕うん機の世界をご紹介しますので、最後までぜひお付き合いください!

バイク用品メーカー「デイトナ」が開発!
サスペンション技術を駆使して、硬い土でも暴れずに楽々耕す

デイトナ
リンク式のサスペンションにより、小型の耕うん機にありがちな「跳ねる」「暴れる」「勝手に進む」を改善(提供:デイトナ)
1番目にご紹介するのは、オートバイの部品メーカーとして知られる「デイトナ(DAYTONA)」が開発したことで話題のエンジン式耕うん機「DC2S」です!

バイク業界では知らぬ人がいないメーカーが何故?と思われる人も多いでしょうが、この写真を見れば一目で納得。

畑で映えるオレンジのカラーリングにくわえて、オフロードバイクを彷彿させるような大きなサスペンションが特徴です。

バイク部品メーカーデイトナ
バイク部品メーカーらしい巨大なサスペンションがデザインにもなっている(提供:デイトナ)
このサスペンション、ただカッコいいだけの飾りではなく、大きな役割があります!耕うん中にハンドルをグイッと押し込むことでサスペンションが縮み、土壌が硬くても、耕うん爪を深く畑に食い込ませて耕すことができるのです。

この構造は「リンク式サスペンション」と呼ばれる仕組みで、テコの原理を活用しています。畑を深く掘り起こすことができるのに、手はそっと添えるだけで大きな力を必要としないため、女性やお年寄りなど、力に自信のない方でもフカフカの土を簡単に作り出すことができるようになりました。

小型耕うん機で耕す場合、硬い土で跳ね上がって暴れる機体の操縦に苦労することもありますが、この機種は、サスペンションとバイク用のハンドルグリップが衝動を吸収するので、ハウスの中でも使いやすいのです。

女性や高齢者にも扱いやすい
軽すぎる耕うん機は、機体が暴れたり勝手に前進したりするが、デイトナは女性や高齢者にも扱いやすい(提供:デイトナ)
また、耕うん機を選ぶ際の大きなポイントのひとつに「重量」があります。

一般的に「農機具は軽いほうが良い」というイメージがありますが、このサイズの耕うん機はその逆で、あまり軽すぎると爪がしっかりと土に食い込まなくなるといったデメリットもあります。

その点、この「DC2S」については、本体重量が25kgと耕うん機の中では持ち運びやすいサイズで、リンク式サスペンションの仕組みを使ってしっかりと深く土を耕すこともできる、非常に優れた耕うん機と言えるのではないでしょうか。

エンジン式耕うん機「DC2S」/デイトナ
本機サイズ(cm) 全長109×全幅 47.5×全高106
重量 25kgエンジン 
空冷4ストローク単気筒ガソリンエンジン
総排気量 49.4mL
最大出力(馬力) 1.6kW(2.2PS)
使用燃料 自動車のレギュラーガソリン(無鉛)
燃料タンク容量 0.6Lエンジン始動方式リコイルスターター式
耕うん幅 57.5cm
メーカー希望小売価格(税込)13万8,600円
▼問い合わせ先や販売価格については、最寄りの販売店まで。 
   メーカー公式サイト https://myfarm-daytona.jp/
▼藤原農機「アグリズ」での購入先 https://www.agriz.net/fs/nouki/gr5775/okn-dc2s-pp

家庭用コンセントで充電可能!
CO2を出さないバッテリー式耕うん機!オカネツ工業「Curvo」


バッテリー式なのにパワフルな耕うん機「Curbo」(提供:オカネツ工業)
バッテリー式なのにパワフルな耕うん機「Curbo」(提供:オカネツ工業)
次にご紹介するのが、オカネツ工業が製造販売する「Curvo(くるぼ)ET40NR」です!

実は、前述のデイトナの「DC2S」を共同開発しているのも、こちらのメーカーです。従来の機械部品製造、OEMに加えて、近年は自社ブランドでの農機具開発にも力を入れています。

そんなCurvoの特徴は、なんといっても充電式のバッテリーで動く耕うん機という点です!

農機具業界全体を見ると、最近はバッテリー駆動の製品も増えていますが、刈払機やチェンソーなどに比べると、耕うん機は技術面やパワー面からも、バッテリー化は遅れています。

そんな状況で、パワーがあるバッテリー式耕うん機と言ったら、最初に名前が上がるのが、ロングセラーのCurvoシリーズなのです。

鉛蓄電池ということもあって、充電時間が約8時間と長めですが、一晩のフル充電で連続約40分間使用でき、面積にすると約40坪(130㎡)程度が耕せると考えれば、かなりの性能ではないでしょうか?
バッテリーを取り出すのも簡単
バッテリーを取り出すのも簡単(提供:オカネツ工業)
バッテリー駆動ですから、ガソリンの購入は不要ですし、とにかく静かに作業ができるので都市近郊や住宅街に面した畑でも使用可能です。

さらに、エンジン式に比べると、お手入れやメンテナンスの手間が少ない点も大きな魅力です。先述した重さについても本体重量28kgとしっかりした構造です。

ちょっとした作業に耕うん機を使いたいという方や、使用頻度があまり多くないので、毎回準備するのがわずらわしいという人にもぜひオススメしたい機種です!

電動ミニ耕うん機「Curbo」ET40NR/オカネツ工業
本機サイズ(cm) 全長117.5×全幅 50×全高89
重量 28kg(バッテリー重量9kg)
モーターの定格出力 0.35kW
バッテリー 鉛蓄電池(24V×12Ah)、充電時間8時間(AC100V)
耕うん幅 40cm
メーカー希望小売価格(税込)9万3,500円
▼問い合わせ先や販売価格については、最寄りの販売店まで。
  オカネツ工業 販売推進課 086-948-5962
  メーカー公式サイト:https://okanetsu.co.jp/product/own_products.html
▼藤原農機「アグリズ」での購入先 https://www.agriz.net/fs/nouki/gr5758/okn-et40nr

野菜ごとに異なる植え付け幅にも対応。中耕・除草・土寄せが得意な条間作業機
岡山農栄社のイリノはたかん

本体重量17.5kgと軽量のイリノハタカンシリーズ
本体重量17.5kgと軽量だから使いやすいイリノハタカンシリーズのHC25XE-10(提供:岡山農栄社)
最後にご紹介するのが、岡山農栄社が製造・販売する「イリノはたかん」シリーズの「HC25XE-10」です。

1924(大正13)年創業の同社が展開する「イリノ」というブランドは、刈払機や籾すり用の関連機器などでご存知の読者が多いかもしれません。

そんなイリノの「はたかん」シリーズですが、一番の特徴がそのコンパクトさ。本体重量17.5kgと非常に軽く、サイズも小さいので狭い場所でも進んでいける構造です。


「軽い」ということは、深く掘り起こすことができる先の2機種とは逆の性質を持っていて、土の表面を浅く耕すのに適しています。

言い換えれば、畝間や株間の土の表面を浅く耕す中耕作業や、土寄せなどに適した機械ということなんですね。

中耕時のローター幅が10cmとかなり狭いタイプですから、狭い畝間の除草作業も可能です。また持ち運びがしやすいので、露地野菜の栽培農家を中心に昔から人気の機種です。

ここで紹介する「HC25XE-10」は一般作物用ですが、野菜は種類ごとに苗を植え付ける列(条)の幅が異なります。そのため、はたかんシリーズには、25センチ以上の高い畝が必要なサツマイモ用や、広い条間を必要とするブロッコリー向け、ニンジンの土寄せに特化した機械も開発されております。


少し特殊な機械にはなりますが、導入することで全体の作業効率がアップするだけでなく、収穫物の品質アップにもつながるので、こういった機械を選択肢のひとつにするのも面白いと思います。

イリノはたかん「HC25XE-10」/岡山農栄社
本機サイズ(cm)全長95×全幅70×全高88
重量 17.5kg
エンジン ホンダGX25(空冷4サイクル)立型単気筒
エンジン総排気量 25mL
最大出力(馬力)0.72kW(1.0PS)
使用燃料 自動車のレギュラーガソリン(無鉛)
燃料タンク容量 0.55L
エンジン始動方式 リコイルスターター式
メーカー希望小売価格(税込)14万4,100円
▼問い合わせ先や販売価格については、最寄りの販売店まで。 
メーカー公式サイト http://noeisha.co.jp/pg74.html
▼藤原農機「アグリズ」での購入先  https://www.agriz.net/fs/nouki/irn-hc25xc10


本格的な春を迎える今は、今年1年間の農作業のスタート地点にあたります。今回は、シーズン開始前に知っておくと得する、個性豊かな耕うん機をピックアップしました。

ただ、新しい農機具を購入することは大きな設備投資ですから、年間のスケジュールや導入によって見込まれる効果をしっかり計算してから購入に向けて検討したいところです。

次回は、田植え機を取り上げる予定ですので、お楽しみに!

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