SkySat Image of Agriculture Lands at Fukushima Prefecture, Japan taken on December 25, 2021. © 2021, Planet Labs PBC. All Rights Reserved.
「2010年のPlanet設立以来、私たちのミッションは変わっていません。それは、全世界を毎日撮影し、すべての人々に対してその情報を可視化し、アクセスを簡単にし、アクション可能なものとすることです。」
Planetの農業部門のシニア・プロダクトマーケティングマネージャーであるStephanie Giardは、最近のウェビナーでこう発言しています。
Giardを含むPlanetのメンバーたちは、xarvio Digital Farming Solutionsのチームと共にそのウェビナーに参加し、農業モニタリングのためのPlanetScopeの機能の概要と、日本でリリースされたxarvioの収穫最適化プラットフォーム「xarvio® FIELD MANAGER」へのPlanetデータの適応と活用方法について情報を共有しました。
日本におけるPlanetのソリューションに関する詳しい情報は、Planetの日本語サイトをご覧ください。
xarvio FIELD MANAGERの価値と柔軟性
ウェビナーで、xarvioのAPAC・アフリカ担当コマーシャルリーダーであるAndrew Achilleは、BASFのデジタルソリューションにおいて、データは最も重要な役割を担っている。と話しています。
「私たちは、Planetのような衛星画像から取り入れたデータを使用しています。さらに、ドローンや地上の気象センサーからのデータも利用しています。
これらのデータは、ゾーンごとに細かく分けた調査分析を行うことによって、私たちが農地の状態を理解することに役立つのです。」
xarvio FIELD MANAGERは2021年3月、全国農業協同組合連合会(全農)とのパートナーシップにより、日本でのサービス提供が始まりました。
日本の農業の条件や実態を考慮に入れて、生産者のニーズに添うようにカスタマイズされています。例えば、直播という手法を選ぶ農家もいれば、苗を育てた後に植える手法を採用する農家もいるからです。
製品の品質と正確性を確保するために、生産者との入念な協議と数々のフィールドテストを重ね、それに基づいて、日本の生産者をサポートするための機能が開発されました。
機能の例として、米の殺菌管理、大豆栽培の除草プログラム、施肥と水の管理、0.5ヘクタール以下の小規模農地のバイオマス・NDVIマップ(植生指標マップ)などがあります。
最新のリモートセンシングの特徴
xarvio FIELD MANAGERは、毎日更新されるPlanetScope衛星画像を利用しています。Giardによれば「どんな業界、職種、地域であっても言えることですが、見えないものは改善しようがないのです。」
また彼女はウェビナーで、リモートセンシングが近年どのように進化してきたのかについても語っています。
「農業分野においてリモートセンシングは新しいものではありません。少なくともここ20年間、リモートセンシングの農業利用に関する議論が行われてきました。しかし、大切な要素が欠けていたのです。」
それは、次のようなものだとGiardは例をあげます。
撮影範囲の限界:「無料のデータは結構ですが、それだけでは不十分だったのです。もしそれを商業用リモートセンシングデータで補完しようとすると、タスキング衛星で特定のエリアの画像を取得することになります。このモデルは農業には有効ではないのです。なぜなら、農地は地球上の陸地の約40%に細かく断片的に散らばっているからです。」
少ない撮影頻度:「農業は生育期には高頻度のモニタリングが必要となります。必要な時に、必要な画像を手に入れなければならないのです。」
非効率的なアクセス:「かつては、一度画像を取得してしまうと、そのデータにアクセスするのは困難でした。特に繁忙期のモニタリングにおいて、必要なデータにタイムリーにアクセスするのは難しかったのです。」
PlanetScopeは、新しい画像取得方法を提供しています。Giardによれば、
高頻度の撮影:「私たちのシステムは高頻度のデータ収集を行っており、世界中の画像を毎日撮影しています。農業のためのデータを必要としている人が、必要な時に即画像を手に入れることができるのです。」
広範囲な撮影範囲:「私たちは世界全域を撮影しています。場所に関係なく、すべての生産者や顧客に役立つ情報を提供することができます。」
シンプルなAPIアクセス:「PlanetのクラウドファーストAPIは、お客様のビジネスの成長に合わせて拡張できるアプリケーションを迅速に構築できます。PlanetScopeにはタスキングや最小対象サイズという概念がありません。シンプルなビジネスモデルで、農業における画像利用が可能となるのです。」
PlanetScopeがxarvio FIELD MANAGERにもたらす価値
農業分野でのPlanetの最大の利点は、データを広範囲に利用できることです。
「PlanetScopeのコンステレーションは常時稼働していて、常にデータ収集を行っています。これは革新的なことなのです。」Giardは続けて、「ユーザーはシステムにアクセスして自分の農地を設定します。チャージされるのは設定した農地の分だけです。
また、PlanetScope画像のオールタイムアクセスに申し込むと、Planetアーカイブにあるその領域の過去の全画像(最大1,700枚)を受け取ることができ、さらに生育期を通じて最新画像も順次受け取ることができるのです。」
高頻度の画像撮影も革新的です。「Planetはほぼ毎日のペースで撮影しているため、生育期などの重要な時期にも、定期的にデータを取得できます。世界中のどこにいてもです。
雲を消すことはできませんが、高頻度でデータ収集することによって、ベストな状態の画像を利用することができるのです。」
xarvio FIELD MANAGERはPlanetの画像から様々な利点を得ています。「これらの製品の目的は、圃場ごとの洞察を提供すること、そして適切なタイミングで意思決定できるツールを提供することです。」
xarvio Digital Farming SolutionsのリモートセンシングチームリーダーであるMojtaba Karami博士は続けて、「例えばそれは、農作物の保護や、播種、施肥などの作業に可変的に対応することだったり、あるいは単純に農地を見て回るのに費やす時間を削減するためだったりするのです。」
PowerZonesは、xarvio FIELD MANAGERの主要な特徴のひとつで、簡単に言えば収穫量のポテンシャルを推し量るものです。
Karami博士によると、「PowerZonesは、長年にわたるデータを積み上げ、農作物の生産力の長期的な指標を作成するという手法で開発されました。PowerZonesには特筆すべき利用法があるのです。例えばシーズン前に、播種やその他のタスクなど、さまざまな準備を行うことができます。」
xarvio Digital Farming SolutionsとPlanetを合わせて利用することで、リモートセンシングの力を最大限に生かすことができ、農地の価値の最大化をサポートできます。Planetのデータをユーザーインターフェースというソリューションと組み合せることにより、データをよりアクセスしやすいものにしています。