どうする?農家のあとつぎ問題「知らなきゃ損する!」資産分割を防ぐには?相続編
YUIME Japan編集部 / 2021.07.09
農家の事業承継に伴うさまざまな課題についてお伝えしてきた連載も、今回が最終回。先代から次の経営者に引き継ぐときに、ネックになるのが農業資産の分割、つまり財産分与の問題です。やり方を間違えると、農業が続けられなくなることも……。でもこの法律を知っていれば避けられるかもしれません!
ポイント
・農業資産を分割しない
・事業承継は先代が生きているうちに早く行う
・承継前に準備すべきこと
資産分割……何が問題か?
事業を継続するには家族経営の農家のような個人事業主の場合、事業用の資産を分割しないことが大事です。一方、農業法人の場合は株式の分割がこれにあたります。
農家にとっての事業用資産、つまり農地、建物、農業用機械や車両・運搬具などは、今後も農業を続けるうえで必須の財産ですから、それを分けることで差し障りが生じます。
法人の株式については、株数が議決権となりますから、過半数を保有していない場合、ひとりでは決める権利がないことになります。そして、株式を3分の2以上保有していれば、重要な事項に適用される特別決議もひとりで決められますから、安心です。