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直売所での宣伝方法や販促をライバルにマネされてしまう

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直売所での宣伝方法や販促をライバルにマネされてしまう

首都圏で農業を営んでおり、野菜を直売所に出荷しております。アスパラガスやなすが人気ですが、少量多品種を売りにしているので、新しいものや珍しい品種にも積極的に挑戦中です。

実家の家業を継ぐ形で就農し、それまでは、食品関係企業で営業やマーケティングの仕事を経験していました。当時は、飲食店や販売店とのお付き合いが深かったことから、レストランや農業の動向やニーズについての知識はある方だと思います。

またSNSを使って、流行やブームになりそうな食材の情報収集をすることも得意です。こうした経験やスキルが自分の野菜作りや販売、宣伝に役立っています。

しかしながら、こうして新しい品種を先がけて手掛けたり、直売所での販売方法に新しいアイデアを取り入れたりしても、間もなくライバルにまねされてしまい、歯がゆい思いをすることが多々あります。

何か対策はありますでしょうか?仕返しをしたいわけではなく、売り場や農家みんなが豊かになればよいのですが。
(東京都・沢見さん/仮名・40歳)

本多英二

aula brand design(アウラブランドデザイン)

「まねされるものはよいものの証」とポジティブに!盛り上げ役として活躍してもOK

「後発業者は、先発商品のよいところを参考にできる」つまりはパクれるので、苦労せずに売れるものが出来てしまう……これは腹立たしく、私も同じ思いをしたので、非常にお気持ちはわかります。

しかし、映画でよくある「パート2」がオリジナルを超えられないのと同様に、先発商品を超える二番煎じ商品は出て来ないのも事実。「まねされるものはよいものの証」と、ポジティブにとらえるのが精神的にもよいと思います。

かつて私もパクリ商品(似てるが確証が無い商品)をスーパーで見つけ、悔しくてたまらず「法」にすがったこともありましたが、著作権法というのもアテになりませんでした。

また、FacebookやTwitterなど、SNS(ソーシャルネットワークサービス)全盛の現代において、自分が好む、好まざるに関わらず、全国世界中に拡散してしまします。例えば、北海道の道の駅で売られている商品をパクって鹿児島のスーパーで売るといったことも容易にできてしまうわけです。

そんな商品を偶然見つけ「著作権法違反でしょ!」と告発しようとしても、弁護士にお願いして証拠固めをしなければならず、その労力が割りに合うかというと、そうではありません。そのため、法で防衛することはやめ、さっさと前を向いて、次に進むことにしました。

現在、私は農業のブランディング(ブランドを作るための活動)が評価され、講演で全国行脚していますが、その話のネタは「事例の全開示」です。

クライアントである農家さんの許諾を得たうえで、開発の流れ、資金調達、デザインコンセプト、販売支援(特にネット上の販売)、売上の推移まで包み隠さず、参加者が聞きたいことをすべてお話しするといった姿勢で、もう半分ヤケクソです。「真似したかったらどうぞ(できるもんならやってみろ!)」という強気な心根ですが、二番煎じがうまくいったという話は今のところ聞こえてきません。

こうしたことを踏まえると、質問者さんの豊富な経験を「みんなでやってみたらどうでしょう?」と問い、賛同者が集まればその販売所や地域全体を盛り上げる先導者として活動してみるのはいかがでしょうか。

いっそのこと、ライバルも取り込んでしまえ、という考えです。集団の中でもみんな平等にとは行かず、個々のスキルや商品力によって差は生じますが、それを決めるのはお客さん。力があればまねされようとも、そんなに深刻に考えなくてもいいわけで、イライラするだけ損です。お金は天下の回りものとも言います、気の持ちようでハッピーになれます。

もう一度言いますよ。あなたの作ったオリジナルを超えるパクリモノは出てきません。

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脇坂真吏

AgriInnovation Design/東神楽大学学長

表面的なまねより圧倒的な品質で勝負!すべて公開してみんなハッピーになる道も

前職のご経験を活かして、販売方法で工夫されているのは素晴らしいことだと思います。

他の農家さんたちにとって、見たこともない手法で、真似したくなってしまう取り組みだからこその悩みですね。

表面的にまねをする、されるのはよくあることです。さまざまな事例を見てきましたが、成功者の共通項は生産物の品質が良く、指名買いされていることです。他よりも売れるという根本的な部分では「圧倒的な品質」に敵う差別化はありません。

私の知っている事例では、周辺の農家でも生産している野菜だったが「圧倒的品質」のものを直売所で他の農家より「高く」販売してみると、指名買いが後を絶たず、ほかの農家がその直売所から撤退したという事例もあります。

「おいしければまた食べたくなる」ということには、人はあらがえないですし、安ければなんでもいいという方は生産側にとってはよいお客様ではないので、そういったお客様を狙っていくしかないかと思います。

一方で、みんなが豊かにということであれば、そのまままねされるのを避けるべく、POPの書き方や新しい販売の工夫などについて、どう考え取り組んでいるのかを伝えてしまってはどうでしょうか?

考え方ややり方がわからないので、表面的な部分をとりあえず真似をするということはよくあります。根本的な部分を広く知ってもらい、結果として直売所に多くのお客様が来るようになれば「圧倒的品質」のものが売れることに変わりはないので、よりハッピーになるのではないかと思います。

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