インタビュー

外国人材は5年で2倍に!日本最大の課題、人材不足をどう解決するか【後編】

2020年10月14日、幕張メッセで開催された農業WEEKにて、「農業のこれから【日本最大の課題、人手不足をいかに解決するか】」をテーマにトークセッションを開催した。登壇したのは、農林水産省 経営局 就農・女性課 課長の横田美香氏、日本農業新聞 記者 岡部孝典氏に加え、YUIMEの代表取締役の上野耕平の3名。前編に引き続き、後編をお届けする。

岡部:上野代表に、YUIMEのサービスの大きな特徴である、外国人材の活用の部分をお聞きします。特に「技能実習生」と「特定技能」の違いについて、教えていただけますか。

上野:技能実習生と特定技能の違いを端的に説明すると、技能実習生は“研修生”であり、特定技能は“労働力”です。技能実習生は、あくまでも研修のみ。特定技能は、日本人と同じように雇用ができる、ということですね。
弊社は外国人材の活用をメインにしていますが、技能実習生の採用は一切しておりません。対象は特定技能で入国される方のみ。コロナの影響で今年はしばらく入国が止まっていましたが、10月初旬頃から再び入国が始まり、新たに38名が入国しました。
さらに、YUIMEが採用する特定技能の就労者に関しては、一回、日本で技能実習生を2年10カ月終了した後に一度本国に戻られた方限定です。そのため、採用した方々は日本語を若干は理解できます。また、基本的に子供の頃から農業に従事しているので、技術面でも安心して即戦力として雇用していただけます。

岡部:コロナの関係で外国の方に来ていただくのは非常に障害もあると思いますが、それも含めて、政府や、JAのような農業団体からどのような支援や協力があるとやりやすいと思いますか。

上野:我々が困っているのは、他の派遣会社と弊社との違いがあまり浸透していないことです。コロナの影響で、いま、人材市場では人余りがおきています。そのため、地元の派遣会社が、まったく農業の経験がない方を農家さんに派遣するという事例が増えている。そこで問題になるのが、人数が集まっても、農家の方が望む生産性がまったく発揮できないことです。人が10人来たけど10人分の仕事が終わらない、という状況がいたるところで起きています。
YUIMEの大きな特徴は、生産性を考慮した人材派遣を行っていることです。しかしながら、そうでない派遣会社との違いが外からはわかりにくい。派遣された人をパッとみただけでは技術の差はわかりにくく、他の会社から派遣されたかたと同じように「一人」としてカウントされてしまう。ですので、一度就労していただかないと、YUIMEの良さが伝わらない。難しいとは思いますが、何かしらのかたちで派遣会社の違いが農家さんに伝わる仕組みをつくっていただけると嬉しいです。

YUIME代表取締役社長 上野耕平

誰にとっても働きやすい環境を

岡部:上野代表から横田課長に質問はありますか。

上野:農水省として、今後の外国人材の活用についてはどのようにお考えですか。

横田:今、農業では外国の方々がたくさん就労されています。数字を見ると、2019年度で雇用就農者が国内外あわせて24万人で、そのうちの約3万5000人が外国の方です。外国の方の人数は年々増えています。
どこも人手不足で、外国の人に来ていただかないと間に合わないということなんですが、特定技能外国人の受け入れを19年4月からスタートさせています。ただ、考え方としては、国内の人材でまかなえるところはまずは国内でまかなうという前提があります。それでも足りないところは外国の方にきてもらう、ということです。
政策としては、国内外問わずすべての人にとって働きやすい環境をつくっていくことも、喫緊の課題ですね。

岡部:ありがとうございます。横田課長のおっしゃったことを補足すると、3万5000人というのは、直近5年で約2倍に増えているということなんですね。これから安定して外国人の方に来ていただくには労働環境を整えていかないといけない。日本人にとってもそれは同じだと。横田課長から上野代表にご質問があればお願いします。

横田:YUIMEの事業は、私も非常に注目しています。上野社長が最初にお話されていたように、地域で働く人がいなくなっている、近所の人自体がいなくなっている、というのは農業生産を維持していくうえでは大きな問題です。農作業のプロを育成し、その方々を各農家さんに派遣するというYUIMEの事業形態は画期的で、生産性の向上にも非常に寄与していくはずだと期待しています。8年前にこの事業がスタートしたということですが、事業化するうえで難しかったことと、どうやってそれを乗り越えたのかを教えていただけますか。

上野:農業における雇用では、どうしても繁閑の差があり、農作業の少ない時期に余った人手をどうするかが問題になります。それをYUIME では産地間連携で、季節ごとの作業内容に応じて、足りないところに人を派遣していくことでカバーしています。ただし、それには当然ながら移動コストがかかってしまう。たとえば冬になって北海道から沖縄へ人が移動する場合には、人件費にその分の移動コストが加算される。これをなんとかしなければならないと考えています。
それから、今後一番問題になってくるのは、後継者不足による廃業リスクといった事業承継の問題です。これについては民間企業でどれだけ努力しても解決できない部分があると感じています。

横田:そうですね。事業承継は農水省でも大きな課題だと考えています。今、担い手と言われる農業者でも6割の方が、後継者が決まっていない状況です。そのため、現在、事業継承に着目した予算を要求しております。事業承継の課題もまた、聞かせていただければと思います。

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